ライヴ情報(2014年2月14日)YouTubeチャンネル開設のお知らせ

2014年02月14日

2014年2月14日@Iwoo NOGATA(野方)

<Set List>
1. 浄夜
2. 嵐の夜
3. 君は恋人
  MC
4. 君はキレイだ
5. ラストワルツを君と
6. あの頃
7. oh, oh, oh
  MC
8. in your arms tonight

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何か普段やらないようなことをした人に対し、皮肉めいた意味で「雨が降る」なんて言葉を使うことがある。
「珍しくあんなことして。雨でも降らなければいいけど…」と言った感じに。

2014年2月は8日、14日と2週連続で大雪となった。しかも8日は45年ぶりという大積雪を記録した。
俺も東京に住んで33年以上になるが、これほどの、2週連続の大雪は経験がない。
そしてこの2月8日、14日は同時に俺のライヴ開催日であり、見事なまでに大雪と丸かぶりとなった。
13年ぶりに音楽活動を再開した途端これである。「雨が降る」どころか「大雪が降った」のだ。
これは、ひょっとしたら、音楽の神様というのがいて、13年間も音楽に背を向けていた俺に対し、
そうそう順風満帆にはやらせないよ、というキツいメッセージなのかもしれない。なんて思ってみたり…。

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さて、2014年2月14日、13年ぶりの音楽活動再開第3回目のブッキングライヴ。会場はIwoo NOGATA
この日は2月の最後のライヴ。そして持ち時間は40分。前の2回に比べて10分長い演奏時間だ。
演奏時間が10分長いということは、単純計算すれば2曲増やすことができる。これは俺には大きい。
長くやればいいものとは思わないが、30分ではどうももの足りない感が残っていたのは事実なのだ。
なるべくヴァラエティに富んだ選曲を、上手い流れに乗せてセットリストを構成すると、30分では足りない。
となると、これは前回前々回にも書いたが、必然的に会場の雰囲気を察して選曲の流れを組み立てる。
簡単に言えば、ロック色を強めるか、ポップ色を強めるか、どちらかの色を30分にパッケージするのだ。

今回のIwooでの持ち時間は40分。ここで2曲増やせることで、やはり選曲の幅はグッと広がる。
どちらかの色を強める必要が薄くなり、ヴァラエティに富んだ選曲に、ライヴとしての流れを作りやすい。
これは偶然のことではあるが、2月最後のライヴを、2月の集大成を40分でやれるのは大きな意味がある。
当然気合も入るという物。ましてやこの2週連続の雪である。普段はネガティブな俺も若干強気だ。

会場に向かう電車内、ツイッターをチェックしていたら、8日に共演した野良色ブルーがつぶやいていた。
どうやら彼もこの日ライヴらしい。お互い雪男。思わず「ぶっ放そうぜ!」なんてツイート送ってみる。
速攻で返信をもらう。「お互いぶちかましましょう!」。最高!彼はやはりロックだ。嬉しいものだ。

途中電車の遅れで若干遅刻して会場に到着。初めての場所というのはやはり緊張する。
扉を開けるのを躊躇する。ましていわんやライヴハウスは防音のために扉が分厚く、重い。
俺にはこの扉が重くて仕方ないのだ。過去2回も、このまま扉を開けずに帰ろうかと思ったのものだ。
そしてこれも防音上だろうが、ライヴハウスの多くが地下にある。2月の3会場はすべて地下。
この地下へ通じる階段が、地獄への階段に感じて仕方なかったりもするのだ。

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意を決して会場内に入る。気さくなオーナーと店長が明るく迎えてくれる。緊張がほぐれる。
見渡してみると、想像より整然とし、すっきりとした印象。ライヴハウスというよりはミニホールな風情。
ステージの高さも程よく、充実した照明機材など、ヴァラエティに富んだ内容に対応できそうだ。
実際に、ここは弾き語り系はもちろん、カラオケで立って歌うアーティストも多数出演している。
そういうスタイルのアーティストへも多様に対応できる、まさに「LIVE STAGE」なのだろう。

サウンドチェックがスタートする。この日の俺の出番は1番目。トップバッターだ。
サウンドチェックは俗にいう逆リハ、出演順と逆に行われる。必然的に他の4アーティストを聴く。
ところ変われば品変わるとはよく言ったものだ、こちらの出演者のサウンドチェックは、
セットリスト全てをワンコーラスほど歌っていく。特に演者より音響面での注文がつくことはない。
それがここのやり方なのだろうなとは思ったが、まぁ、俺は俺のやりやすいやり方がある。

さて、俺のサウンドチェック。自分に聞こえるピアノの音量だけはしっかり決める。あとは適当。
他の出演者とは違い、俺は一番鳴らす曲と一番静かな曲の2曲。あとは1曲目の雰囲気伝える程度。
恐らくは演者の中では一番短い時間でサウンドチェックは終了。これが俺のやり方。問題ない。

サウンドチェックも終了し、18時に開場、そして18時30分には開演となる。
そう、この日の開演は18時30分。金曜夜の18時30分である。勤め人には聴きに来づらい時間。
そしてこの雪。集客には全く期待できない。マイナス要素は充分だ。あとは「ぶっ放す」のみ。なんて…。

18時30分、俺の出番だ。客席には出演者、PA席にオーナーと店長。
そして嬉しいことにいつも俺を応援してくれるN氏に、他の出演者のお客さんも数名。

1曲目は「浄夜」。マイナーコードのミディアムバラード。
33歳の俺が書いた、13年前の俺では歌うことのできなかったような曲だ。今の俺だから書ける歌。
以降はミディアムからバラード中心で前半を進め、後半はロックを固め打ち。ラストはバラード。
40分の尺をフルに使って、計8曲。選曲に関しては合格点を与えていいだろう。

しかし問題となってくるのは演奏だ。今回のライヴで3回目。回を重ねるごとにダメになる。
ピアノの音を外す。途中でコードを弾き間違える。弾きなれたような箇所ほどそうなる。
確かに慣れない電子ピアノだ。タッチも音の出方もなにもが普段とは違う。機械によっても違う。
とはいえだ。たとえばこれが、普段と違う状況に陥り、冷静さを欠いてミスを多発するのならまだいい。
俺の場合は違うのだ。演奏中の頭の中は常に冷静だ。自分が今置かれている状況を分析し、
頭の中では次の曲をどう対策をするか考えながら演奏している。どんなに熱を込めて演奏していてもだ。
そしてそれが裏目と出る。普段の無意識の部分まで意識の中に入れようとしてしまうからだ。
演奏中の俺の頭の中は、完全なる有象無象状態になってしまっているということだ。
そしてこの問題を克服するのが、俺の今後の最優先課題となるだろう。
演奏上の最優先課題に気付けているというだけでも、前に進む価値はあるもの。そう考えるしかない。

回を重ねるごとに、演奏上の問題が次々に露呈していくわけだが、逆に良くなっている部分もある。
それは、回を重ねるごとに気分よく歌えるようになっているということ。不思議なものだ。
歌に関しては、もともと俺は音程はよくないし、声だって美声とは言い難い。昔のように高音も出ない。
となれば、あとはいかに気持ちを込めて歌うか。歌に関しては上手くなくていいと割り切っているのだ。
これを諦めと言えばそうだろう。諦めだ。テクニカルな、音程だの発声だのについての進歩は諦めた。
しかし面白いもので、そう割り切れば割り切るほど、気分よく歌えるようになってくるのだ。

重要なのはこのバランスだろう。ピアノはいわば俺のバックバンドだ。そしてバンマスは俺だ。
同時に、フロントに立って歌うヴォーカリストも俺だ。このバランスの両立。これが重要。
ピアノ1台でやっている以上は、どちらもしっかりとケツを拭かなければならない。
そして、ちゃんとバランスとってケツを拭くことができれば、俺の中で納得のいくライヴができるだろう。

ひょっとしたら、俺は理想が高すぎるのかもしれない。
自分の演奏に対し、ネガティブになりすぎているのかもしれない。
別に自分に厳しいつもりはさらさらないが、やはり、世界最高峰の音を知ってしまっている以上、
そこに少しでも近づきたいのだ。絶対にたどり着けないことはわかっているのだか…。

俺はいつまで、何を目的に音楽をやっていくのかはわからない。同時にまた、いつ止めるかもわからない。
しかし今の俺はハッキリと言える。もう少し、もう少しだけでも音楽と真剣に向き合ってみようか、と。
俺なりのやり方で、音楽と向き合うことができれば、きっといい着地点があるだろう。そう信じたい。
そしてそれが、オンリーワンの「マサゴロウスタイル」になればなおのこと良い。

2014年2月のライヴはこの3本で打ち止めとなる。13年ぶりに、ビビりながら行ったライヴたちだ。
会場に欠かさず足を運んでくださった方もいらっしゃった。本当に感謝以外の言葉が見当たらない。
また、各会場のスタッフの方々、共演者の方々。誰もが気さくで、明るい、清々しい人たちだった。
やはりジャンル、形態は違えど、「音楽が好き」というキーワードのつながりって、こういうことなのだろう。
今さらながら、そんなことに気付かされた。そしてそれが、一番重要なキーワードだとも。

マサゴロウライヴ "Lost 13 Years part1-1"
本当にありがとうございました。また3月にお会いしましょう。

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2014年2月16日 マサゴロウ

masagoroustyle at 23:30│Comments(0)past live 

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